アディダス銀座店ツイッター暴言事件

アディダス女性社員のツイッター暴言事件とは

アディダス(adidas)の女性店員が、婚約者を連れて来店した同社契約Jリーガーについて、ツイッター上でつぶやいた“陰口”が「2ちゃんねる」で炎上を引き起こした事件。

2ちゃんでは、書き込みをした店員の過去の暴言ログや、mixi、ブログなど他のSNSから引用された本名、写真や経歴などの個人情報も容赦なくさらされました。

1人の店員の悪ふざけは、世界展開するスポーツブランドに傷を付けただけでなく、本人の身をも救いようのない危険に追い込んでしまったのです。

暴言をした社員の個人情報が暴露される

サッカー選手マーク・ハーフナーが来店

現場はきらびやかな商業ビルが立ち並ぶ一角、アディダス銀座店。女性店員は4月に新卒入社し、研修を終えて店舗に立ったばかりでした。

ある日、Jリーグでプレーするマーク・ハーフナーとその婚約者の女性が来店します。興奮した女性店員は、その目撃談を、いつも友人たちとの交流に使っているツイッターに、いつものように毒づいた口調でつぶやいてしまいます。

▼アディダス女性社員の衝撃的なツイート▼

「そいえば今日マイクハーフナーが来た。ビッチを具現化したような女と一緒に来てて、 何かお腹大っきい気がしたけど結婚してんの(^ω^)??」

「帰化したからハーフナーマイクかwアシュトンカッチャー劣化版みたいな男が 沢尻劣化版みたいな女連れてきたよwとりあえずデカイね、ホントにwww」

リツイートで一斉に拡大

この暴言ツイートは、見も知らぬツイッターユーザーの目に次々とリツイート(転載)され、間もなく2ちゃんねるにスレッドが立ちます。こんな悪質な書き込みをしたのはどこの誰だ――? ネットのユーザーが、個人特定に動き出します。そして、犯人探しにそう時間はかかりませんでした。

IDから個人情報が特定されたワケ

同店員は、ツイッターには本名は記していないものの、勤務先などが特定されるプロフィールを詳細に掲載していました。さらに、ツイッターと同じIDで、mixiやブログなども開設していました。

このため、あっという間に本名まで特定されてしまいました。自身が使いやすいようIDを共通化していたことが、この事件で個人情報の特定をたやすいものにした要因だといえます。

写真が公開される

プライベートな写真や、なぜか自宅の不動産登記簿までもが公開されてしまいます。

そして今度は自身が、多勢のネットユーザーからの誹謗中傷をあびせられたのです。今も次々とアーカイブされた個人情報が、ネット上でさらされ続けています。

火に油そそいだ「過去ログ」の暴言

女性店員は日常的にツイッターやブログなどをコミュニケーションツールとしていました。

そして2ちゃんねるには、元となったツイッターの投稿だけでなく、mixiやブログ、質問サイトへの書き込みの中から抜粋した“暴言”が、次々と掲出されました。

日常的に「暴言」

この女性社員はツイッターの問題投稿でも、「ビッチを具現化したような女と一緒に…」と発言しているように、日常的にきわめて劣悪な表現をふざけて使っていました。

有名私大に在学中、アディダスに内定が決まったときの「スニーカーはナイキとコンバースが好きです。adidasは一足も持ってません。…」などと発言。これらのコメントがいたるところで再掲され、非難の的となりました。

すべて、本人は友人との“ひそひそ話”のつもりだったのでしょうが、結果的には拡声器で叫んだ結果となってしまいました。

終わりなき中傷へ

発端となったツイッターでの「社員としてのモラルを欠いた言動」。それに対する非難は、いつしか、ネットユーザーたちの反感を増幅させ、突発的な炎上から、終わりなき誹謗中傷へと発展させてしまったのです。

アディダスの対応

3日後にお詫びとご報告

こうした騒動に対して、アディダス本社が本格的に動いたのは3日後のことでした。女性社員への事情聴取後、選手とその家族に謝罪をし、同社ホームページに「お詫びとご報告」を掲載しました。

店員の書き込みを「情報流出」とするにとどめ、肝心の中傷表現についての謝罪がないことを批判する2ちゃんねらーもいましたが、ひとまずは一段落を見たと思われました。

▼アディダスの謝罪文▼

お詫びとご報告

お客様各位

本日、弊社社員が、アディダス パフォーマンスセンター 銀座店へご来店された弊社契約選手の情報をTwitter(ツイッター)に書き込み、流出させていたことが判明いたしました。

この件で、同選手、同選手のご家族をはじめ関係者の皆様及びお客様には多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。

スポーツブランドとしてあるまじき事であり、この事態を厳粛に受け止め、このようなことが繰り返されないよう、社を挙げて再発防止を徹底してまいります。

当該社員からは経緯を聴取し事実関係を調査中です。処分については、調査結果に基づき、会社規定に従い厳正なる処分を検討いたします。

また、ご迷惑をお掛けした選手、チームに対しては、既にご報告の上、お詫び申し上げております。

選手のファンの皆様にも、ご迷惑をお掛けすることとなりましたことを、深くお詫び申し上げます。

弊社では全社員に対し入社時に、スポーツブランドとしての行動規範をはじめ、お客様情報の守秘義務等に関する研修を行っております。

しかしながら今回、このようなことになり、改めて社を挙げて再発防止に努めて参る所存でございます。 全社員のコンプライアンス意識の向上を図り、スポーツ選手をはじめスポーツ界、そして社会からの信頼回復に向けて邁進していく所存でございます。

平成23年5月19日

アディダス ジャパン株式会社

「2ちゃんがねつ造」と発言し、批判再燃

ところがその2日後、某スポーツ紙に取り上げられた記事の中に「中傷部分は2ちゃんねるでねつ造されたもの」という女性店員の発言が掲載されます。それを受けて、2ちゃんユーザーがふたたび猛反発します。

アディダス側からは、この女性店員について「厳格な処分」に処したとのみ公表され、すでに退職したという憶測が飛び交うなか、その後どうなったのかは明らかにされていません。

不十分だったリスクマネジメント

アディダスではソーシャルメディア時代に対応し、独自の「ソーシャルメディアガイドライン」を設け、入社時の研修も徹底していたといいます。

しかし、自社ブランドを守り、社員をネット攻撃の危険から守るうえで、リスクマネジメントが不十分だったと言わざるを得ません。

個人への誹謗中傷等の被害

2ちゃんねらーからの猛攻撃

この女性店員は、ツイッターを日常的なコミュニケ―ションツールにしていた、いわゆる“ツイッター世代”でした。 ツイッターには本名は記していないものの、勤務先などが特定されるプロフィールを詳細に掲載していました。同じアカウントでミクシィ、フェイスブック、ブログも開設していたため、2ちゃんユーザーたちのやる気に火をつけ、個人情報の詮索に我も我もとたかりました。

知恵袋への恋愛相談もバレる

本名につづいて公開されたのは、大学在籍中にさかのぼるプライベートな写真や過去のツイッター、ミクシィへの投稿文の数々。 暴露された過去の発言の中には、街で目にするものへの陰口や悪ふざけ発言のほか、大学時代の恋愛の悩みを赤裸々に綴った文章も多く含まれていました。 同じく、恋愛相談めいたYahoo知恵袋への質問も公開されました。

自宅の「不動産登記簿」が流出

実名、写真とくれば、祭りに参加するネットユーザーたちの関心は住所です。女性の自宅の住所だという「不動産登記簿」まで公開され、明らかなプライバシー侵害へと発展してきました。

元AV女優とのデマも

女性という立場で、ここまで自分の過去や素顔を世界中の人々が閲覧できるネット上にばらまかれたことは、今後生活していく上で大きなダメージになることは間違いありません。 心ないネットユーザーからは「ブス」「鼻ゴリラ」などという酷い言葉をあびせられ、「死ね」と罵倒されました。 さらに、AV女優であったなどというデマもでっち上げられました。

来店客に「ビッチ」と中傷したアディダス女性店員への非難は、バッシングの粋を越えて、終わりなき誹謗中傷、名誉毀損へと進化してしまったのです。

時系列でみる、アディダスの対応

5/18深夜 社員の一人が2ちゃんねるで祭りになりかかっている時点で発見、直属の上長へ連絡
5/18深夜 連絡を受けた上長が本部のマネージャーに連絡→銀座店店長に連絡
5/19未明 銀座店店長が書き込んだ本人へ連絡→本人によりツイッター等の当該書き込みを削除編集し応急的対応
5/19早朝 本人を伴い銀座店長等が新宿・牛込のアディダスジャパン本部へ出頭。総務部等をまじえて事情聴取
5/19午後 担当営業、謝罪のため甲府へ。謝罪文をHP掲載が決定→ドイツへ連絡。広報が謝罪文作成
5/19夕方 謝罪文HPで掲載
5/20 本人への第2回事情聴取。IT担当部署も交えて、当人の主張部分の真偽も検証
総務部主体で、社内スタッフのプライベートでのインターネット利用に関する研修開催が決定。5/23の週に開催予定
5/21午後 本人への仮処分決定→通告

お問い合わせはこちら